2022年10月18日(火)

がんと診断を受けてから26日目。CT検査とMRI検査が終了し、主治医から今後の治療について詳しい説明を受けました。

今、治療方針が不明で心配されている方に、どのように説明されるかの一例としてご参考までに、以下の内容をお伝えします。

◇MRIの画像と放射線医のコメントより

・子宮に結構大きな腫瘍がある
・卵巣(らんそう)も腫れている
・子宮がんが疑われている
・卵巣も悪性の所見

子宮がんと卵巣がんがありそうだ、という所見


画像をみながら、ここにこういう風に臓器があって、、、という説明がある。

◇診断根拠とCT画像

原発わからず。初診では子宮頸がんといったが、奥の方に子宮体癌の可能性の方が考えられる、と考えている。

子宮頸がんの場合だと、年齢が若いためもっと子宮の頸部が食われるはず。しかし、キレイ。


卵巣に転移しやすいのは子宮体癌のほうが多い。今のところは子宮体癌かなと。

そう考えた時にCTだとどうか、ここにまた書いてある。

◎子宮と卵巣が腫れている

◎新横隔膜リンパ節転移の疑い
お腹と胸の境界あたりにあるリンパ節がが一つ腫れているように見える

◎腹膜播種の可能性あり
計測可能なモノは見えないけれど腹膜がやや肥厚していて播種の可能性がある。

腹水がちょっとたまっているお腹の空間の壁白くえんぴつで縁取りしたみたい。こういうのがあるとがんがうすくペタペタってくっついている。ひらべったくうすく広がっている 種を蒔くって書くがこういった症状があるときは腹膜が厚くなる。

卵巣がはれていると腹膜播種を起こしやすい状況なのであるかもな、と考えている。

◇診断

◎子宮体癌4B期
  ・子宮体癌の卵巣転移
  ・新横隔膜リンパ節転移
  ・腹膜播種

疑い。子宮体癌と卵巣がんだったとかいろんなパターンが考えられる、ここまで広がっているということは、4B期。ちょっと進行しているような状況という判断。

実際には、術後に正式な診断をする

◇手術方法

開腹して最終判断するが一番高い可能性はこちら。

1.子宮全摘
2.卵巣をとる
3.大網切除

①腹膜播種がない。後腹膜リンパ節郭清を追加。オペは8時間と長くなる。
②腹膜播種がある。リンパ節はそのままでお腹を閉じて、体力を戻すことを優先させて、すぐに抗がん剤治療で腹膜播種をやっつけたい。オペは3時間。

②はオペの時間が短くなるが、①が断然いい。

子宮の取り方もちょっと子宮をなるべく削らないように、取り方も若干ゆっくり時間をかけて取りに行くという方法を考えている。

◇後腹膜リンパ節郭清

腹膜播種さえなければこの手術を追加。子宮体癌1~3期、卵巣がん1~2期の方がやる手術。

お腹の真ん中に走る大きな動脈~腎臓につながる血管。その周りにくっついているリンパ節を全部取りに行く手術。

胸下から恥骨まで、とにかくざっくり開く。ベンツのマークような大きな傷ができる。

◇新横隔膜リンパ節

場所が胸の方にあるため摘出難しく取りに行く予定なし。抗がん剤にがんばってもらう。

画像上は腫れてないが顕微鏡的には十分転移している可能性がある

◇腹膜播種

腹膜播種は、リンパ節転移よりもっともっと良くない状況。腹膜播種があれば、①の手術をするとすごく負担がかかるので早めに体調良くして早めに抗がん剤でやっつけたい。

そのため、大変な手術を省略して抗がん剤メイン。明らかに腫れているのがあれば取るが今はない。播種があれば播種を優先して取る考え

◇術式

◎準広汎子宮全摘出術
◎筋膜外子宮全摘術
◎拡大子宮全摘出術 いずれか


◎卵巣・卵管とって
◎骨盤リンパ節・傍大動脈リンパ節
  →横隔膜リンパ節をとる
◎腹膜播種切除

あとはお腹の状況で術式は変わる

そこだけでなくて腸も絡んでたら腸も一緒にやる。開腹、お腹あけて判断。

◇リスクなどの話

◎腫瘍の切除する範囲が広ければ尿管、膀胱傷つける可能性あり
◎術後出血したりとか痛いとかバイ菌感染とか、近くの臓器で、遅発性、遅れて悪いことが起きることがある
◎術後1・2~3週間後に尿管が詰まって尿がでずらくなったり、尿管に穴が開いたり膀胱も遅れて穴が開くことがある
◎排尿障害は、準広汎子宮全摘出術をやる時に起こる可能性があり。その場合は術後に説明
◎リンパとることになったらリンパ液がお腹にたまる、むくみ、足、下半身。むくみ術後1週間後一旦ひどくなる、それからだんだん良くなるが、そのあと数カ月後、数年後にひどくなることがある。見ていく必要がある
◎肺塞栓、エコノミークラス症候群。血栓ができて肺に飛ぶと肺塞栓になって突然死する合併症なので十分予防していく必要がある
◎腸閉塞、卵巣両方取るので更年期障害がくるとか
◎輸血。卵巣がどんくらい出血することがあるので、輸血の可能性半々、やる可能性の方が高いかもしれない
◎輸血するなら未知の感染症やウイルス、肝炎の可能性は0じゃない
◎肺塞栓の話。骨盤の悪性腫瘍というと肺塞栓の発症リスクは最高リスク。手術後早めに離床、翌日から歩く、ピチピチのストッキングを履く、足にマッサージ器みたいなポンプみたいな装置をつけて血流を流す、血液サラサラの薬を使うとかで予防
◎本人はよく動くことをがんばる
◎血液検査や心電図とかレントゲンはとくに問題なかったので

◇質疑応答

Qリンパ節をとるとどのような影響がありますか
大きな傷なので痛い。痛いと体の調子も悪い。リンパ浮腫。オペで小腸とか大腸とか剥がして行かないとアプローチできない場所なのでリンパ節を取りに行くのは相当なメリットがないとやらない方がいい。足浮腫む人と浮腫まな人がいる。リンパが遮断されるので。

Q歩けなくなることは?
それはない

Qステージでいうと4ということですね
開腹しないとわからないけれど今の段階では4B期

Q再発リスクは?
腹膜播種があった場合は結構すぐ再発する可能性がある腹膜播種があった場合は結構すぐ再発する可能性がある。なくても、再発のリスクはある

Q退院は
退院は合併症がなくって順調であれば翌週の週末に退院

Q家で自分のことはできる
歩けるくらい

Q立って食べられる
食べらなければ帰れない。生活できる状況になってから退院してもらう

Q抗がん剤のこと。今聞いてもわかりませんかね?(笑)
いずれにしても一回退院してその後の話もあとで。ゆっくりかすぐか、お腹をあけてみないとわからない。

Q副作用は
副作用は個人差、それもそのあとお話しましょうね

Q仮にオペをしないとするとどうなるか
結構大変なことになる。1カ月お腹張ってきていろんな症状が出て卵巣が腫れて腹水出てきてる。腹水どんどんたまってくる3~4カ月もそのままならお腹パンパンになってくる。

子宮の腫瘍も結構大きいので(9cm)ほっとくとそこからのコントロールがつかなくって出血して貧血になったり、困ったことになる可能性がある。

Q不正出血について 今全然ないのは?
また月経になったらでるかも

Q再発をしてもまだやることはあるか
いくつか手段がある。②のほうが再発リスクは確実に減る。しかし胸の方が気になる

Q家族の面会はできない
入院付き添いは駐車場まで、面会はできない。手術が終わったら連絡。説明は外来で。結果が出るのに3週間とかかかる。

以上36分間。終始穏やかにわかりやすい言葉で誠意のある説明をしてくださる。本当に感謝。

このあと、入院について説明を受けて終わり。

◇まとめ

2024年5月13日、noteの記事を持ってきました。久しぶりの読み返すと忘れていることも多くて、驚きました。説明を受けてから手術までも約1カ月、治療を始めるまでの期間がとても長く感じて不安が強かったように振り返ります。その間にしたことは、もちろん検索なのですが、がんサバイバーや会いたい人に会い、行きたいところへ行きました。仕事もどこまでも中止すればいいのかもわからず、関係者の方には、あいまいな相談をするしかありませんでした。

結論としては、驚くほど元気でした。寝たきりに近い状況なのかと、勝手に想像していました。もちろん、前と同じように復活しているわけではありませんが、日常生活も仕事もできることに拍子抜けしました。カロリーさんとのYouTubeでも話しましたが、「元気なのでお仕事ください」と一度お断りしていたお客様へ、再度お願いすることもありました。

今、不安な方もいらっしゃると思いますが、どうか、変な情報に引っ張られるませんように。慌てなくていいですが、先延ばしはしないで、あなたの納得のいく最善の選択ができますように願っています。