先日、NPO法人がん対策研究会さんより、「大人のためのがん講座」というとても素敵な冊子をいただきました。10冊お願いしていたところ、50冊以上もご厚意でお届けいただき、その温かなご配慮に心から感動しています。

この冊子は、「コンパクトにこだわった」とのことで、定形封筒の長形3号にすっぽり入るサイズ感。それでいて内容はとても充実しており、「大人のがん教育」にぴったりの一冊です。難しい言葉は使わず、それでいて本質をきちんと伝えてくれる構成に、思わず読み込んでしまいます。

参考ページ

NPO法人がん対策研究会さん公式サイト

■ 受診率を上げたい、という一念から

この冊子が生まれた背景には、「がん検診の受診率を上げたい」という、シンプルで切実な思いがあったそうです。

大阪に本社を構えるサエラ薬局の前社長が、多くのがんによる別れを悼み、「だったら検診の大切さをもっと伝えたい」と考えた――その願いが、NPO法人の設立、そして冊子の制作へとつながったそうです。

大阪府では、いまだにがん検診の受診率が全国平均を下回っているそうです。その状況を少しでも変えたいという強い思いが、この冊子には込められています。

📎参考:大阪府は依然としてがん検診の受診率が低い水準


この冊子は、関西を中心に自治体での配布が始まっており、関東では一部自治体で2025年から配布予定とのこと。お住まいの地域の役所や保健センターなどで、目にする機会がこれから増えるかもしれません。

■ 「患者さんからの問い合わせが多い理由」に、私なりの答えを

ご担当の方から、「これはまだがんになっていない方に向けて作った冊子なのですが、なぜがん患者さんからのお問い合わせが多いのか不思議です」と声をかけられました。

その気持ち、よくわかります。実は私自身も、がんと向き合うまで、正直「検診」「予防」といった言葉はどこか他人事でした。逆に、がんに罹患した今だからこそ「正しい情報」を取りに行く習慣が身につきました。

だからこそ、この冊子を読んで「こういうのが欲しかった」と感じた次第です。必要な情報を、安心感をもって手に取れる。それは本当に大事なことだと思います。

■ 経験者だからこそ伝えられること

「生活習慣を整えれば、がんは防げる」と言われることもありますが、実際には、がんの半分以上は生活習慣だけでは説明できません。

この冊子は、そういった現実にもきちんと触れながら、いたずらに恐怖をあおらず、けれど希望に偏りすぎることもなく、絶妙なバランスで情報を届けてくれます。

私は、がんになった今だからこそ、この冊子の価値を深く感じます。そして、「この冊子、よかったよ」と経験者が誰かに手渡すことができたなら――そのひとことには、何よりも強い説得力があると思うのです。

現在、この冊子はエスペランサミーティングでも配布させていただいています。
参加されていない方でも、「読んでみたい」「誰かに渡したい」と思われた方は、どうぞお気軽にご連絡ください。

ご本人だけでなく、ご家族やご友人にとっても、大切なヒントが詰まった一冊です。可能であれば、一人ひとりにお話をそえながら手渡ししたい、そんな思いでいます。

私もブログやYouTubeでの発信をきっかけに「子宮がん検診の予約を取ったよ」と教えてもらった時にはとてもうれしかったですし、体験者の発信の影響力を感じました。がん対策研究会さんの尊い願いを、必要としている方に届きますように。ささやかながら橋渡し役として勝手ながら努めさせていただければと思います。

そして、あなたも、大切な誰かへその思いを届けませんか?