ご家族様から、

「施設の部屋にカメラを付けてもいいんですか?」

というご相談を受けることがあります。

最近は小型の見守りカメラや、スマートフォンで映像を確認できる機器も増えました。

離れて暮らしていると、

「元気にしているかな」
「転倒していないかな」
「夜は眠れているかな」

と心配になりますよね。

今回は、施設での見守りカメラについて、20施設以上での勤務経験がある介護福祉士として考えてみたいと思います。


施設にカメラは設置できる?

結論から言うと、施設の種類や契約内容によって異なります。

個室のある有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでは、施設と相談のうえ設置できる場合があります。

一方で、施設の方針や他の利用者様への配慮から難しい場合もあります。

また、設置できる場合でも、場所や撮影範囲、録画の有無などについて条件があることもあります。

まずは、施設へ相談してみることが大切です。


カメラを付けたい理由は何でしょう?

私は、

「カメラを付けたい」

という気持ちの奥には、

安心したい

という思いがあると感じています。

例えば、

  • 転倒していないか
  • 体調を崩していないか
  • 夜間の様子はどうか
  • 変な訪問者が来ていないか

など、ご家族様としては気になることがたくさんあります。

決して「監視したい」という気持ちだけではないと思うのです。

離れて暮らしているからこそ、見えない時間が心配になる。

その気持ちは、とても自然なものだと思います。


見張るためではなく、見守るため

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私は個人的には、

カメラは

見張るためではなく、見守るため

に使っていただきたいと思っています。

最近はカメラだけでなく、ビデオ通話機能が付いている機器もあります。

映像を確認するだけではなく、

「元気?」
「今日はどうだった?」

と会話ができる方が、ご本人様にとってはうれしい場合もあります。

離れていてもつながっている。

そんな安心感は大きいと思います。


カメラにはメリットもデメリットもある

私はヘルパーとして働いていますので、

実はカメラがあることに、それほど抵抗はありません。

むしろ、

ドライブレコーダーのように、利用者様もスタッフも守ってくれる面がある

と思っています。

一方で、カメラがあることで、

「ちゃんと食べているかな」
「今、何しているかな」

と気になり、何度も映像を見てしまうご家族様もいらっしゃいます。

便利だからこそ、心配が増えてしまうこともあるのです。

カメラを設置したことで、ご家族様がかえって落ち着かなくなってしまっては、本末転倒ですよね。


信頼関係の上に成り立つ介護

介護は、法律や契約だけで成り立つものではありません。

ご本人様、ご家族様、そして施設スタッフ。

お互いの信頼関係の上に成り立っています。

もちろん、悲しいことですが、

「何かあったら心配」
「施設での様子を知りたい」

という不安から、カメラを検討するケースもあるでしょう。

しかし本来は、

カメラがあるから安心なのではなく、安心できる施設だから信頼して任せられる。

そんな関係が理想だと私は思います。


私自身、実際に経験しています

実際に、施設で「カメラOK」のところもあれば、「NG」のところも経験しています。

事前にご家族様から相談を受けて設置されるケースでは、施設やスタッフとの信頼関係を大切にされているのだなと感じます。

一方で、施設に知らされないままカメラが取り付けられるケースも、きっとあるのだろうなと個人的には感じています。

だからこそ、カメラを設置するのであれば、

施設やスタッフに相談し、ルールを確認したうえで設置すること

が大切なのではないでしょうか。


私だったらどうするだろう

もし自分が高齢になり認知症になったら、

カメラがあっても構わないとも思います。

ただ、施設に入るのであれば、

スタッフさんを信頼して、

私はカメラはいらないかな、とも思います。

それよりも、

ビデオ通話で家族と話せる方がうれしいかもしれません。


ヘルパーとして思うこと

私は訪問介護がメインなので、ご家族様に見守られながら排せつ介助をすることもあります。

病院への同行や外出支援など、利用者様と一緒に社会の中へ出ていく仕事もあります。

そう考えると、私は「誰かに見られていること」そのものには、あまり違和感がありません。

誰に見られていても、見られていなくても、目の前の利用者様にいつもと同じように向き合う。

それが介護の仕事としては理想なのだと思います。

ただ、施設介護となると、少し事情が違うようにも感じます。

施設には、施設ごとのルールや文化があります。

学校に少し似ているのかもしれません。

同じ「学校」という場所でも、校長先生が変わると雰囲気が変わることがありますよね。

それと同じように、施設長が変わることで、施設の雰囲気や方針が変わることもある。

私自身、いろいろな施設に伺う中で、そんな印象を持つことがあります。

もちろん、

「カメラがあるから、きちんと仕事をする」
「カメラがないから、手を抜く」

ということではありません。

ただ、介護の現場には、ご家族様からは見えにくい事情もあります。

書類の多さ、職員不足、賃金の問題、加算を取得するためのさまざまなルール……。

一つの施設だけではどうにもできない「社会全体の問題」もあります。

だからといって、もちろん悪意のあることまで「施設だから仕方ない」と言ってよいわけではありません。

そこは、はっきり分けて考える必要があります。

でも、施設で働くスタッフが何をしているのかを、すべてカメラで見れば安心できるのかというと、私はそう単純な話でもないと思っています。

「郷に入っては郷に従え」という言葉がありますが、施設にも、その施設なりの事情や文化があります。

だからこそ、施設を選ぶときには、

「カメラを付けられるか」だけではなく、何を大切にして暮らしたいのか。

そこを、ご家族様にも考えていただきたいと思っています。

たとえば、面会のしやすさ。

家族とのビデオ通話ができるか。

外出や外泊についてどのような考え方なのか。

ご本人の希望をどのくらい尊重してくれるのか。

スタッフとのコミュニケーションはどうなのか。

「カメラが設置できる施設だから安心」とは限りません。

逆に、カメラを設置できなくても、ご家族が安心して相談でき、ご本人が穏やかに過ごせる施設もあると思います。

実際、コロナ禍に面会ができなかった時期に、テレビ電話での面会も「手間がかかる」「ITが苦手」といった理由から対応していなかった施設もありました。

そういう経験も含めて考えると、施設選びでは、

「自分たちにとって、何が一番大切なのか」

という優先順位を決めておくことが、とても大切なのだと思います。

そして、これは施設だけの話ではありません。

訪問介護では、ご家族様が実際に介助の様子を見ることもできます。

「こんなことまでしてくれるんですね」と言われることもあれば、逆に「家族だからこそ気になる」ということもあります。

在宅介護なら、カメラを設置することについても、施設ほど複雑な問題にはなりにくいでしょう。

むしろ私は、在宅で一人暮らしをされている高齢者の方には、見守りカメラなどの選択肢を、もっと気軽に利用できるようになってほしいと思っています。

正直なところ、在宅で暮らす高齢者のいる世帯には、全世帯に給付してもいいくらいじゃないかなと思うこともあります。

もちろん、カメラがあればすべて解決するわけではありません。

それでも、「何かあったときに気づける」という選択肢があることは、遠くで暮らすご家族にとって、大きな安心につながると思うのです。

カメラがあるか、ないか。

それだけで判断するのではなく、

「その人が、どんな場所で、どんなふうに暮らしたいのか」

そこから考えていくことが大切なのではないでしょうか。

まとめ

施設へのカメラ設置は、

「付けるべき」「付けないべき」

という単純な話ではありません。

大切なのは、

なぜ付けたいのか。

そして、

それによって誰が安心できるのか。

ということだと思います。

ご本人様、ご家族様、施設、そしてそこで働くスタッフ。

みんなが安心できる方法を、一緒に考えていくことが大切なのではないでしょうか。

10年後には、AIや見守り技術もさらに進化しているでしょう。

今回のお話は、あくまで2026年現在の私の考えです。

皆さまは、どう思われますか?

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